東京医療保健大学
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ヘルスケアコラム

マスクの季節になりました

大学院 看護学研究科
研究科長 草間 朋子
朝晩の冷え込みが厳しくなるとともに、通勤・通学の途上でマスクを装着している人の数が急に多くなってきました。外国人とくに欧米人の目には、日本人のマスクをした姿が異様に映るようですが、わたしもマスクの愛用者の一人です。
 
マスクの装着により次の効用が期待されます。

①粉じん、細菌などの吸入を防ぐこと
粒子径の粉じんほど防塵効果が大きいことは言うまでもありません。最近は、チャーコールなどの高密度の素材を利用したフィルター付きのマスクもありますが、ウィルス(インフルエンザはウィルスによるものが大部分です)の吸入をブロックすることはできません。
②自家製加湿器の効果
マスクの装着により吸った空気に湿気をあたえ、温度を上昇させる効果があります。冬になり環境中の湿度が低くなるとドライノーズの症状を訴える人々が増加してきます。わざわざ加湿器を購入しなくても、マスクが自家製加湿器の役割を果たしてくれます。また、ウィルスは、マスクを通過してしまいますが、気温が高く、湿度の高い環境ではウィルスの増殖が抑えられますので、マスクの装着によりインフルエンザ等の予防にもつながります。鼻や喉の粘膜に存在している免疫細胞や繊毛は、温かく湿った環境で機能を発揮します。マスクの装着により冬の冷たい乾燥した空気を暖め、加湿することができます。
③悪臭の防御
歯周病の人々が増加し、口臭を放つ人々が増えてきました。マスク装着により、悪臭に対する不快な思いをしないで済みます。ひょっとしたら自分自身も、歯周病などで口臭を放っているかもしれませんので、他人にも迷惑を掛けないで済みます。水分には匂いを吸着する働きがありますので、マスクにティッシュペーパーを挟むと効果がより一層大きくなると思います。
 
ちなみに、私は、年がら年中、就寝時には、①マスク(特に上記の②の効果を期待しています)、③首巻(温泉旅館などにある薄手の綿タオルが最適)、③腹巻(シルク製が最適)を欠かしません。私にとっては三種に神器(?)で、健康維持の一つだと思っています。
 
これからの季節、電車の中などで、大口を開けてクシャミや咳をする人々を多く見かけるようになります。マスクまでは強要しませんが、クシャミ、咳をするときはせめて、ハンカチを口元にあてることは最小限のエチケットだと思います。
 
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