東京医療保健大学
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ヘルスケアコラム

基礎教育のカリキュラムへの「自立支援教育論」の導入

大学院 看護学研究科
研究科長 草間 朋子

平成26年6月の「医療介護総合確保法」(保助看法を含む19の医療関係の法律の改正)の成立を契機に、日本が高齢化のピークを迎える2025年の保健医療に照準を合わせた、さまざまな改革が急速に進められております。

限られた資源(財源、人材など)の下で、国民が納得のいく、しかも効果的な保健医療福祉を展開していかなければならない中で、「健康寿命の延伸」が強く求められております。従来は「平均寿命」が、各国の医療レベル、健康レベル等を示す指標として注目されてきましたが、超高齢社会を迎えた現在では、健康寿命を延ばし、医療・介護のために他人の手助けを受けないで過ごせる期間をできるだけ少なくすることに関心がもたれるようになってきました。平均寿命と健康寿命との差をゼロ(いわゆる「ピンピンころりん」)にすることが、国全体の視点から最も理想的であることは間違いありませんが、一人ひとりの国民自身が一番に望むところです。

 日本の保健医療福祉を考えるときに、枕詞のように「高齢化」「超高齢社会」といわれており、「健康寿命の延伸」も、どちらかというと高齢者に注目した課題のように思われがちですが、かつては「成人病」と呼ばれていた疾病群が「生活習慣病」に変わった経緯からも明らかなように、健康寿命の延伸は、成人・高齢者だけの問題ではありません。

 また、「健康寿命の延伸」に向けての行政等が行う施策(「公助」)は、ベースに「自助」努力があってのものです。治療もテーラーメイドの時代を迎えております。あふれんばかりの健康情報の中で、一人ひとりが自分のおかれた状況にもっとも合った健康増進のための活動を自律的に選択し、自ら実行できるようになることが極めて重要です。

 東が丘・立川看護学部では、今年改正したカリキュラムに、「自立支援教育論」(2年次後期)という科目を取り入れることにしました。これは、「患者教育のあり方・やり方」を意図した教育で、保健医療福祉における患者さん自身のさらなる自律を促すことに、看護職としてどうかかわっていったらよいかを学ぶことを目的としたものです。昭和36年に導入された日本が世界に誇る「医療保険制度」、平成12年に導入された「介護保険制度」を将来にわたって持続的に堅持していくためには、患者さんに適切な受診行動等をとってもらうこと、「自助」の重要性を分かってもらい実践してもらうための患者教育が必要であると考えたからです。オバマケアにより国民全体を視野に入れた医療保険制度がようやくスタートしたアメリカでは、受診行動等に対して患者さんが自律していることを本年3月のNP(診療看護師)研修を引率した折に実感しました。

 
 
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