東京医療保健大学
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ヘルスケアコラム

購買行動と情報

医療保健学部 医療情報学科
瀬戸 僚馬

 人は、何かを判断するときに情報を用います。ここ数日のgoogle検索の「急上昇ランキング」トップ20を見たら、世田谷区内の企業が販売している、とある健康食品が含まれていました。このように「話題になっている」という理由でその商品を検索したり、実際に商品を購入したという経験は、誰にでもあることだと思います。
 さて、「情報とは何か」というテーマは様々な研究者が多様な説明を試みていますが、その中に「不確実性を減らすもの」というものがあります。つまり正しく意思決定する確率を上げるためには情報が必要だという考え方で、そのため、情報そのものが商品として取引されることもあります。ただし、購買行動に限っていえば、コンビニエンスストアで飲み物を買う度に判断の拠りどころとなる情報を検索したり、ましてお金をかけて情報収集するような人はないでしょう。つまり、人が情報を必要とするときは、その人が当該購買行動を重視しているとき、とみることもできます。
 人生において大きな買い物といえば、すぐ思いつくのは住宅や車です。私の経験でも、住宅を購入する際には20件以上の候補から検討して、うち3割ぐらいの候補には実際に足を運んで吟味したように記憶しています。ところが、同様に人生の大きな買い物である「健康」、すなわち病院選びについては、東京のような都市部であっても、このような精査があまり行われません。なぜでしょうか。
 その理由はたくさん考えられます。一つは、家や車のように「楽しい話題」にはなりにくいという側面です。また、病気になるときには予告がないことも多く、よって病院を選ぶ時間がないという事情もあります。しかし、最大の理由は「選ぶ基準がわからない」つまり専門的過ぎる点にあるのではないでしょうか。
 ちなみに私が過去に何回か中古車を購入した際の基準は、「排気量」「価格」「走行距離」「メーカー」「色」の5つでした。もちろん優先順位は人にとって異なるでしょうが、これらの基準は誰もがある程度理解可能なものです。これに対し、「病院選びの基準を5つ挙げてみよう」といっても、なかなか思いつかない方の方が多いと思います。基準が思い浮かばないと、「大きいから安心できそう」などの曖昧な理由で選ばざるを得なくなります。ただ、昨今ではこの状況が変わってきました。院内の電子化も進み、病気ごとに「どれ位の手術件数があるか」あるいは「何日で退院できるか」といったデータが病院から国に報告され、これらの情報はインターネットで公開されるようになりました。
 インターネットが普及した現代は、このような専門性の高い情報に触れる機会が格段に増えました。住宅や車がそうであるように、よりわかりやすく、より購買行動に活かせる情報を提供できるよう、引き続き努力していきたいと考えています。

 
 
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