東京医療保健大学
Menu

ヘルスケアコラム

ネコ“あい”と20年暮らして

東が丘・立川看護学部 看護学科
桜井 礼子

生後数ヶ月と思われる大怪我をしている捨てネコを大学の宿舎近くで拾い、それ以来、一緒に暮らしています。拾った直後に手術を受け、右眼の視力を失ってしまいましたが、元気で人に抱かれることが大好きで、帰宅する足音を聞いて、外まで聞こえる大声で玄関まで迎えに来てくれます。ネコを眺めているだけでも癒され、時折甘えてくる仕草が可愛くネコと気持ちを通わせながら生活をし、今や暮らしのパートナーとなっています。

かつては、ネズミを退治する家畜として飼われていた猫ですが、ご存知のように、今では、ペットとして飼われています。
日本ペットフード協会(2018年)の調査によると、イヌを飼う世帯率は12.6%で、890万3千頭に対して、ネコを飼う世帯率は9.78%ですが、世帯当たりの平均飼育頭数は、ネコは1.74頭とイヌの1.24頭より多く、飼育頭数は推計964万9千頭と犬を上回っております。イヌを飼う世帯率は年々減少しているのに対して、ネコは横ばいの傾向にあります。ネコを飼う理由は、『生活に癒し・安らぎがほしかったから』、『過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから』が約3割と報告されています。

しばしの癒しを求めて、猫カフェ、猫の島に人が集まり、SNS上のネコ動画も人気です。
自由きままな生活をしているように見えるネコですが、ネコの習性と個性をよく理解して生活を共にすることで、何にもかえがたい癒しとなっています。
『世界ネコ歩き』というテレビ番組で、街や自然の中で暮らすネコの生態が紹介され、ネコのいる街やその地に暮らす人々の生活が魅力的な風景とともに映し出されています。動物と共生している街は、人々の心が豊になり、ひいては、健康な生活が送れるようになるのではと思いつつ、番組を楽しんでいます。

家族の一員となったペットですが、ペットの高齢化、飼い主の高齢化と看取りの問題、災害が起こった際のペットの避難が問題となってきます。

「家の外に出ない」ネコの平均寿命は15.97歳と言われております。我が家のあいも、推定年齢21歳と思われます。若いころは、カーテンをよじ登り、カーテンレールを捻じ曲げ、家じゅうの柱に爪とぎの後をつけ、活動的でしたが、18歳を過ぎた頃に眼底出血を起こし、左眼も完全に見えなくなり、今や全盲状態です。20歳を過ぎるころから、耳が遠くなり、外から帰って来ても直ぐには気付かなくなり、体力は落ちてきており、今は、家で一日の大半を寝て過ごしています。加齢による影響は、人間と同様です。高齢になったとはいえ、ネコの生命力の強さを実感し、あいの存在が、毎日の生活に潤いを与えてくれています。

引用文献
一般社団法人 日本ペットフード協会
https://petfood.or.jp/topics/img/181225.pdf  アクセス日 2019.7.11

教員データベース:桜井 礼子⇒

このページの先頭へ