東京医療保健大学
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ヘルスケアコラム

医療とビッグデータ

医療保健学部 医療情報学科
深澤 弘美
今,世界中で統計学が注目されています.
 
Googleチーフエコノミストのハル・ヴァリアン博士は,2009年にマッキンゼー社の論文誌で「私はこれからの10年間で最もセクシーな職業は統計家だって言い続けているんだ」と語りました.日本では「統計学が最高の学問である」という本が話題です.統計的思考力は,グローバルに活躍する21世紀の若者に必要なスキル(21世紀スキル)のなかで特に重要とされ,2020年から始まる新しい大学入試では,数学,理科,社会だけではなく国語の問題にもグラフの読み取りなど,統計に関連した問題が出題される予定です.
 
コンピュータやインターネットの発達により,私たちの生活は大きく変わり,世界中でビッグデータの活用が重要なテーマとなっています.もちろん,ヘルスケアの分野においても「医療ビッグデータ」が注目され,社会をかえるとまで言われています.このビッグデータ時代を生きるためには「統計学」が必須.これが,統計学が注目される理由です.そして,数学の一領域として統計学を学ぶだけではなく,コンピュータとデータを活用して統計的に問題を考える力,統計的に問題を解決する力が求められているのです.  
 
統計的に問題を解決できる人,あるいは,データを用いて問題を解決する職業を「データサイエンティスト」とよびます.データサイエンティストには,次の3つの力が必要です(出典:データサイエンティスト協会)

・ビジネス力
(課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力)
・データサイエンス力
(情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力)
・データエンジニアリング力
(データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力)

ヘルスケア分野のデータサイエンティストとは,医療・健康・保健に関わるヘルスケアビジネスの現状や課題を理解して,具体的な問題点を,データをもとに考え,解決する人です.医療情報学科のカリキュラムは,ヘルスケア分野のデータサイエンティストを育成する内容が豊富です.ヘルスケアにかかわるビッグデータを効率的に処理して,診療や病院経営の意思決定に活用するために必要な,統計的問題解決力を身に付けることができます.20年後には,今ある仕事の半分は自動化されるとも言われています.医療業界においても人工知能に代わられる仕事はあるでしょう.そんな遠くない未来の医療に向けて,新たな仕組みや制度の構築を担う「医療とビッグデータ」のスペシャリストが求められています.
 
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